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今日は伴奏付きでレッスンとなった。
フォーレの「9月の森の中で」から。
全体にピッチの良い気持ちの良い歌であった。
こちらで指摘したことは、発音が大分良くなっただけに、更に統一感をしっかり持って欲しいことである。
特に母音Uが、発音し易いところとし難いところの差がはっきりしていること。なるべく全体的に統一されるように。

また、子音も特にFが出難い面がある。出るところと出ないところの差が大きい。母音の響きの豊かさ、歌詞の響きの美しさを充分に出してもらいたい。
後は、1点F前後の声の響かせ方は工夫の余地があると思う。もう少し低音の響きを出せると良いのだが、地声の強い響きは出さない方が良いと思う。

「蝶と花」は、声の問題はないと思う。それよりも、1番~3番までの音楽の作りである。
大雑把に言えば、1番と2番は、予想以上にゆったり目が良い。
その方が彼女が良く発音出来るし、とても感情豊かに歌える素質があるので、それを活かすためにも、である。

そして、そのことで3番の速いテンポ指示の意味が活きて来るだろう。
3番が早いテンポ指示なのは、3番の歌詞の意味があるからで、ここは、絶対に速いテンポを途中で緩めては駄目である。
最後のRitだけで、そこまでは一直線にわき目も振らず速く歌うことで、歌詞の内容が表現されるだろう。

最後に「ファウスト」から「宝石のアリア」
これも、声のことよりも、音楽の構成で何度も歌いなおした。
声としては、高音がとても調子が良く安定している。
強いて言えば、最後の高音が、やや締まってしまい息が気持ちよく流れなくなっている。
あまり喉を開こうとし過ぎないで、喉が上がっても楽に出してしまった方が良いと思う。

全体的に言えば、楽譜の指示通りに歌うことに加えて、書いてある特にディミニュエンドが意味すること、
あるいはフォルテが意味することをテンポで表すと効果的である。
それは特に歌詞の意味を読めば、そのダイナミックの意味が判るはずだから、テンポもそれに応じて、考えることである。
例えばC’est la fille d’un roi qu’on salue au passage! などは、大仰に一つ一つの音符を歌う感じになるから、
必然的に重くなるであろう。
このような変化が結構多いので、要注意。
やはり歌詞の読み込みと、音楽との対比を良く見て研究することは必要であろう。
楽譜に書いていなくても、もっと自由にやるべきだと考える。
その自由さを出来る余地を残すように、作曲家は書いているはずであるから。