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発声練習はピクリとも動かず、口も余計な力を使わずに、静かにきれいに5点bまでを往き来していた。
喉を力ませない意味で、良い発声練習方法であると思う。

コンコーネ48番は、ほぼ間違いなく綺麗に歌えていた。
繰り返し直前のフレーズの低域は地声にならない方が良い。その分♯になる変化音の音程が下がらないように注意を。

1曲目はヴェルディのオテロからアヴェ・マリア
細部を詰めるレッスンとなった。声の響きを安定させること、中音域の弱声でファルセットにならないようにすることはブレスを伸ばすことに貢献するし、
ピアノの声のアンサンブルとして相応しいのである。

それから大事なことは、レガートに歌うために、下あごを母音発声になるべく介在させないように発音すること。
そのために、下あごを少し首側に引いて固定し、上あごで歌う感じを会得してほしい。
これは会得するのに年季が要るので、常に気にしてほしい。

ドナウディのSpirate pur spirate
後で思ったことだが、この曲はもう少しイタリア語の発音そのものが明快になると良い。
後、レッスンで気になったのがLa-solの7度音程が苦手のこと。楽譜上は5点Esから4点Fに降りる際の4点Fがはまらないこと。
低音への切り替わり点ということもあろうか。要注意。

ドビュッシー「月の光」
まだ歌い込みが足りないので、音程感に迷いが出る箇所がある。
ピアノ伴奏が正確に弾ければ、自然にはまるだろうとは思うのだが。
ただ、伴奏音楽に頼らずにアカペラで正確に音程を表現できる方が、結果的にピアノ伴奏とのアンサンブルが美しくなるだろう。
これも中低音の発声で、下あごを使わずに上あごで発音・発声することを覚えてほしい。
逆に換声点近くなったら、喉が上がらないように意識することは必要。
そのための下あごを降ろした発音、という要素も考慮すると良いだろう。

「静けさに」中低音域の歌声は上あごで歌うべきと思うが、言い換えれば明るく歌う方が良いと思う。
「星の夜」こちらは高音まで滑らかに歌えている。最後の高音に上るフレーズで喉が絞まってしまう点が惜しい。