声楽における外国語の発音について連続ツイートをし、それを自分でトゥゲッターしたものを、これから少しずつまとめてみようと思います。

きっかけは、ある声楽家の発言として「発音をうるさく云うよりも、その言語の話者であるべきこと、が先ず先決である」という文言に反応したことでした。

このことについては、かねてから考えていたことですし、また様々な意見を聴いています。
それらの結論は、一般にはもちろん出ていません。

そうだ、という人もあれば、いや喋れなくても良い歌は歌える、という人もいます。

この議論は、役者の芝居の議論に良く似ています。
曰く・・・「役者は本当に役になりきらなければ良い芝居は出来ない」「いや、心の中で舌を出していても、良い芝居は出来るものだ」

発音については、いい加減で良いという人と、しっかり発音する方が良い、という二つのタイプがあります。
あらかじめそういうスタンスで自分の声楽を精進されるなら、それはそれで良いと思います。

実際、発音にこだわり過ぎると、発声に悪影響を及ぼします。
フースラーなども言語発音は、声楽発声に何ら関係がない、と書いていますし、名だたる声楽家にも、発音を重要視する必要はない、と云う人がたくさんおります。

しかし声楽を学ぶ場合において、我々はヨーロッパの言語をネイティヴにしない日本語ネイティヴの民族である、という本質的な違いを忘れてはいけないでしょう。

言語の音韻体系・発音が大きく違う民族で発達した声楽の発声方法は、その言語発音の基礎については、やはり知っておくべきですし、それを出来るようになるべきと考えます。