KA

12月中旬以来なので、ちょっと間が開いた。
とはいえ、体験を除けば2回目なので、実質始めたばかり、である。

発声練習を30分くらいしただろうか。
というのも、彼女の声の特徴がまだ掴めていなかったせいもある。

結論から言うと、呼気の使い方が弱いようで、喉に無理なく軽く歌えているといえば聞こえは良いが、
もう少し息をしっかり使った方が良い、と思った。

まずブレスに少し時間をかけて、出す方、すなわち発声時に一気に吐くような感じでやってもらった。
すると、かなりしっかりした声が出てくる。

これだけで今は良いと思う。
具体的な身体の使い方としては、吐くときに下腹部を引っ込めるようにだけは意識すると良いだろう。

それから、半音ずつ上がり下がりする発声練習の定期的なブレスでは、喉の状態を変えないで発声すること。
そのためには、口を閉じて鼻で吸わないで、口は半開きにして、少しあくびした状態でブレスをし、息を吐く
すなわち、声を出すことである。
逆に言えば、声を出し終わったときに、この喉の状態を変えないようにして、次のブレスを行うのである。

曲の練習の中での肝は、高音になると上がる喉のこと。
具体的には喉仏を上げないように、高音発声に入るわけだが、そういう理屈ではなく具体的にどうするか?
高音に昇るほど、声を深く入れていくように意識すること。
あるいは、あごが上がらないような顔の姿勢で、口を横開きしないようにして、前に声を持っていくこと。

Lascia ch’io piangaでは、特に中間部の強い声の表現で大切だったし、グノー、バッハのAve Mariaでも
最後の高音の声はこれが必要である。
Ave Mariaは、2点Aと2点hだから、さらに難しい。これは練習の要ありだが、どちらかというと、今は、
高音発声そのものよりも、ブレス時の喉の開きと、ブレスの方法、そして呼気の身体の使い方、という根本を
中低音域でしっかり身につけてもらいたい。