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ヴェルディの歌曲、More,Elisa,lo stanca poeta から練習となりました。
良く歌えています。レガートにきれいな声で歌えていますが、恐らくレガートに歌うことだけに集中しているので、何を言っているのか分からない歌になります。
言葉は聞こえてきますが、それがイタリア語なのか?というところ。

まずは、イタリア語のアクセント位置を確認して、朗読してもらいました。
アクセントが付くと、楽譜には書いていないフレーズの起伏、リズムの微妙な揺れが出てきます。
これが、音楽に陰影を付けますし、言葉を言葉として理解させる要素になります。
非常に重要なことなので、必ず朗読を練習してください。

ヴェルディのオペラ「シチリア島の夕べの祈り」「ありがとう、愛する友よ」を歌ってもらいました。
良く歌えています。リズム感、高音発声ともに、良いレベルではないでしょうか。
これに前述の語感が加われば、鬼に金棒でしょう。
また、伴奏者のリズム感、適当感が出ることが、大事です。

ドビュッシーEn sourdine
言葉の響きから音楽が出来ていますので、言葉の美しさを感じて歌ってください。
欧州の言葉は、子音+母音で出来ていること。日本語は子音と母音が区別されないで一体になっています。
この違いを良くわかって、日本語の延長ではなく、新しい言葉だと思うくらいに子音を意識してください。

鼻母音は、イタリア語のアクセントだと思っても良いくらいです。
また、鼻母音はNが付きません。
鼻母音だけで、どれほどフランス語の語感の重要性があるか?という強い認識を持ってください。

次のDe greveも同じです。
メロディを歌うことは、良く出来ていますが、歌詞を歌う抑揚が出てきません。
母音の処理で言えば、語尾のEのあいまい母音は、消えるように意識してください。
また狭すぎると、それだけで強調して聞こえますので、狭くなりすぎないように。

また、楽譜に書いてある、ダイナミクスの指示を、もっと直截に表現しよう、という意図も持ってください。
その意味では、全体に声の響きのポイントがMF以上で固定的です。
PやPPをどう表現するのか?という発声上の方法論を、これから研究してほしいと思います。