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フォーレのNellから始めました。           
他のドニゼッティのアリアでも皆同じテーマになりました。

彼女の発声は、換声点の5点Fで喉が高いです。
このため、声質が少し喉っぽくなることと、基本的に子供っぽい声になります。
ただ、さらに上の6点Cからの発声がしっかりして聞かせる声を持っていることは彼女の大きなメリットになります。

つまり、換声点~このソプラクート領域までの一般的な高音発声が、声楽的に未熟なのです。
これが、オペラをやって行く上での難点です。

発声のことと別に、彼女が声楽家として進歩していくためには、彼女自身の発想をいかに変えられるか?に掛かっていると思います。
私が教えていた当初もそうでしたが、自身の好みにかなり拘泥しているという印象が強かった。
好みを持つことは良いですが、こと発声に関してはもう少し幅広く取り入れてみる姿勢も大事です。

恐らく、練習方法や発声の違いに対して敏感な点が、新たな発声法やその他の方法を取り入れるのに時間がかかってしまう原因と思われます。
本人は熱心に練習しているのですが、自分のツボにはまる部分で熱心にやるために、自分の欠点を修正する部分に時間を割けていないのではないか?と思っています。

発声は、発達させる段階では、自分の好みやイメージをあまり持たないほうが良いでしょう。
どんなことでも、積極的に取り入れて、そこから自ずと自分のスタイルを見つけていくように。

今が一番大切なときですから、発声を徹底して改善していくことに注力してください。