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フォーレの「閉じられた庭」から、1番、3番、4番、7番、8番を練習しました。
どの曲も共通しますが、子音発音をもう一度見直しました。
どの子音も大切ですが、その意味は単に活舌とか歌詞が良く判るか?という以上に、
歌詞と言う音楽の一要素が、この歌曲の音楽の中で重要だからです。

子音の中でも、特にLとKはいずれも舌が関与しますが、舌を明快に意識して動かすことです。
また、DやVなど喉が振動するものも、なるべくトライしてください。
女性の声の響きは振動が細かいのでやりにくいですが、慣れると出来るようになるでしょう。
また、上記の子音に限らずどの子音ももう一度大切に扱って練習してください。

あとは、喉が温まらないと響きが乗らないと思いますが、乗らない状態であっても
なるべく高い場所に響かせるようにしてください。
一番判り易いのは、フレーズの入りの音程の和音内の一番高い位置の音をイメージすることです。

これをやると頭声が混ざり易いので、喉が温まらないと、少しスカスカした響きになりますが、
滑らかで音程感の良い響きになります。

もう一点、明るい声の調子とか、優しさを表現するのに、上あごを上げて上あごだけで
発音するようにすることも、声の調子に大きな効果があります。
どの曲にも大切なことですが、特に1番Exaucementや3番のJe me poserai sur ton coeur
の歌声には重要なことだと思います。

また、これらのことをひっくるめた意味として、朗読を少しだけ練習しました。
口奥を広く使うようにそして母音の響きを高く響かせるように、朗読します。
朗読の段階でこれが出来ていると、歌になって自然に出来ると思います。

やってみて声帯が合わない感じがして気になるのであれば、それは合わせようとしないで、
頭声の響きでやって構わないです。

朗読で留意してほしいのは、フランス語固有の二重母音が単母音化するシラブルの素早い発音、投げるような勢いです。
PremierとLumiereとかの語尾の母音は、日本人だとリュ・ミ・エールとかプル・ミ・エールなどのように、2つのシラブルに聞こえたり、
発音速度が遅く、語感がなくなってしまうのです。
後は、鼻母音は充分響かせて下さい。

最後の8番、Inscription sur les sablesは、逆に和音内の下側の音程をイメージした方が
この曲の悲劇的な調子、暗さが出せて良いです。

また、このことと関係ありますが、響きのイメージを高く低くと意識するとしても、
喉はいつも高くならないで拡げた状態を保って下さい。
また、発音の時に、この喉のポジションが動かないように発音に注意して下さい。