体験レッスンから2回目。
発声をきちんとやって、それから。。と思っていたが止めにした。
理屈を教えるより、いきなり歌ってしまった方が良いだろう、と直感的に思った。

イタリア古典歌曲集から、Lasciate mi morireを譜読みして歌った。
1時間弱のレッスンのうち、およそ20分くらいで譜読みを完了。
完全とは行かないが、思ったよりも勘が良い方だ。
リズムも基礎的なやり方を強要しないで、拍を数える意味だけ教えて後は任せた。
中学校までピアノをやっていたというから、思い出すだろうと思った。

勿論最初は旋律をピアノで叩いて、一緒に歌ってもらう。
それから、リズムを簡単に教える。
そして、短い1小節を少しずつ伸ばして、大節にまで広げていく。
そうやって、譜読みをしてある程度定着したら今度は声を出していく。

まず、一度だけ朗読してもらった。
彼女は意外と声の出し方がシャイで、あまり大きくならない。
ただ、発音はとても良い。
もう少し大きく朗々と朗読できると、直ぐにでも歌声に反映できるし、歌そのもの、リズムも良くなるだろう。
今はCDでもイタリア語の朗読など手に入るから、聴いて真似してみると良いと思う。

それでも、歌になると小さな声、あるいは喉が締まってしまう。
単純に口の開け方が足りないこと。
それから、お腹のブレスと喉の準備が出来ていない。
喉の準備とブレスは一緒にしてもらう。
少しだけ喉をあくび状態に持っていくこと。

それでも声が出ないのと、特に高音では完全に喉が締まってしまうので、お腹に力を入れることをやってみた。
重いものを持つ時に、側腹を横あるいは外側に張り出すような感じ。
要するに息む感じである。

これが功を奏して、それから声がしっかり出るようになってきた。
特にこの曲の高音、2点E~Fに響きまで付くような感じになってきた。
最後に何度か通して歌って終わった。
1時間弱で、譜読み1ページ、そして声もしっかりしてきた。
なかなか良い調子であった。

良かったのは、彼女がしっかり食いついて、こちらについてきてくれたことである。
出来る出来ないは二の次であり、こちらのスピード、要求に食いついてくれれば言うことはない。
こちらも無理やりやっているわけではないのだが、ノンビリやったからといって、上手く行くものでもないので。

次回まで、一ヶ月近く空いてしまうが、暇があったらイタリア古典を歌ってみて欲しい。
CDも一応出ているから、参考になるかもしれない。