HN

発声練習は、チェンジ後の声が難しい点をやってみた。
タイプとして、発声練習で声が乗る方ではないな、という印象だったので、ほどほどにした。
2点Eから、いわゆる声がひっくり返って、ファルセットで支えのない声になる点。
これ、単純にしっかりと声を出させようと目論んだのだが、本人が怖がってしまう点があるので、なかなか思い切ったことが出来ないことも、原因ではあると思う。
ただ、実際怖いのだから、あまり無理しないで、音楽の中で自然に気持ちよく高音には入れるようにして行けば良いのだ、と思った。
理論的にやれば良いというものではないだろう。

コンコーネは35番を復習。
やはり最初は、高音域のチェンジが難しい。
フレーズは、セオリーとして上に昇るほどクレッシェンド、そして、低音域は高く頭で、高音になるに従い喉を深く、というように意識してみること。
思い出してやってもらうと、俄然声が安定する。

深く、というのは、例えばスタッカートの練習でもわかるが、声を当てる場所を鎖骨の中間に決めて、声の出だしをそこに
当てるように、という具合。
自然に喉を深くするだろう。声を当てる場所を決める、というやり方のメリットは、ブレスであくび状態を作りましょう、という
やり方よりも、自然なのだと思う。

Ombra mai fu
一度目の通しは、前回と同じであったが2度目は前回教えた通りに歌えた。

見ていると、口の使い方が一律で、概ね下顎が使えていない。
恐らく上顎とか目の辺りとか頬とか、狙って発声していると思うが、今の彼女の場合は、
上顎とか鼻腔の共鳴の発声を覚える前に、下顎を自由に降ろして使う発声を先に覚えた方が良いと思う。
それは、高音の発声にも関係してくるし、喉の開きにも大事な要素になるから、である。

特にOの母音などは、素直に下顎を降ろすべきであろう。
降ろさないほうが良い人もいるので、これは本当に個人差の問題である。

レシタティーヴォは、低音を高く、である。多少声が低音の声区になるが、それほど段差がないので、気にならない。
が、あまり無理に押さないほうが良いと思う。
一瞬のブレス、と言うものを大切に。瞬間であればこそ、自然な意味での深いブレスが出来るはずである。

Amarilliを、というので、これもやってみた。
これも、どちらかといえば、やや不安定に陥り勝ちな中高音の発声だろうか。
最初のフレーズは長いが、出だしで声を出し過ぎず、後半Mia bellaに声の響きのポイントを持って行くことだろう。
これも、低音は高く、高音は深く、という単純な基本を使って、歌ってみるだけで、声が安定すると思う。
最後のPPは、高めの音域だが、この場合声量よりも音程だから、深くよりも、喉を楽に力ませないで、軽く出そう。
それだけで、綺麗にPPが実現できるだろう。

最後E il mio amoreは長いので、途中で一端切って、やり直せば良い。