SMM

発声にとって一番大きな要素はブレス(呼吸法)であることが判るレッスンでした。
そして呼吸法にとって大事なことは姿勢ということ。

そして呼吸とか姿勢、結果的に発声の段階においてもですが、歌う行為は流動的であり固定出来ではないということ。
常に同じ状態ではない。

大きな要素に分ければ確かに、吸・呼・発声、の3つです。 
しかしどの点においても、ひとつとしてとどまることはなく動いています。

それは歌詞を発音することもあるし、音程の移動ということもあるし、強弱もあり、またリズムの変化もあるでしょう。

音楽性とか音楽的ということは、ここにこそ意味があるのです。

発声と言うと、いかにも喉を楽器のように扱うと言ってしまうがために、逆に固定的な物体イメージが生まれてしまい、
身体の使い方が硬く泣てしまうのではないか?

今回興味深いと思ったのは、呼吸のことでした。

歌声は息を吐き出すことだから、横隔膜を上げて行く意識を持つと言うイメージと体の扱い。
これはもっともな気がしますが、横隔膜を上げて行くという意識が腹壁を硬くしてしまい、結果的に喉を硬くしてしまう原因になっていないか?

というのも、横隔膜肉は緊張と収縮の2点間を常に往復する運動体ですから、伸展し切ったら収縮に自然に向かうわけです。
ですから、あえてその横隔膜を必要以上に収縮させようと意識するために、逆に呼気が伸びないから結果的に声帯を強く合わせてしまい、悪い胸声発声になってしまうのでしょう。

声楽発声のもっとも美点は、少ない呼気でピッチが良く柔らかい響きで長いフレーズを歌えることです。
この呼気を柔軟な腹筋で自在に操れるために、芸術的なメロディラインを編み出すことが出来ます。

胸を開いた姿勢も、肺の膨らみを良くするだろうし、喉頭を下げる胸筋も働きやすくなるのだと思います。

今回胸を開くブレスをすると、両肩甲骨の間の筋肉が張られて痛いと感じたのは、恐らく腰の張りが弱いからではないか?と思います。
腰骨を出し過ぎないでむしろ前側に少し回転させるように立つと上手く行くのではないでしょうか?

コンコーネの6番を練習しましたが、ちょっとした呼吸の仕方で胸声成分が強くなったり、隠れて柔らかいピッチの良い声になったりします。
斜腹筋から背筋で呼気を支えて、歌うことで自然に呼気がコントロールできる、と言うイメージが持てると、上手く行くと思います。

立ち方や呼気の時の腹筋の扱い方は、そのことそのものよりも、声質で判断出来るとジャストポイントが見つかりやすいと思います。