あんどうさん

今日は発声練習に時間を少しかけました。
特に腰から側腹にかけて張り出すようにすることで、声を出すポンプという実感を持ってもらえたのが良かったかな。
ポンプ?という発想を彼女が思いつきました。
これは良い比喩でした。

ポンプにもし小さな穴が開いていたら、そこから余計な空気が漏れてポンプが機能しないでしょう。
声も似たような感覚がありますね。
どんなにポンプの力があってもです。
ポンプをシューっと押して、水がピュ~っと出るその水が声になります。

良い発声の人は、見た目それほど力んでないのに、まるで勢いの良い噴水のように声を出します。
その噴水の立ち上る水のフォームは実に綺麗ではないでしょうか?
発声が悪いと、見た目ものすごく力んで見えますし、力んでいる割には声が出ていない、あるいは声が良くない。

子供の頃に、あるいは自動車を洗車するときに、ホースの先をつまんで水を勢い良く飛ばしますね。
ホースの先をつまむのは、水の通り道を細くすることで、水圧に頼らずとも水流が強くなるわけですね。
声も似た面があるようです。

彼女も声がスカスカし易い人なので、スカスカしないポイントがある上で、この腰から
お腹のポンプが上手く作用すると、声を出す力の入れ所も自然に分かるでしょう。
彼女の場合、今は2点Fくらいから高音はむしろ良いくらいです。
むしろ中低音において、このホースの先をつまむ要素が欠けていると思ってよいでしょう。

それは、顎を良く引いて、軟口蓋をめがけて声を送る要素を良く感じて出すこと。
顔面に声を当てる感覚ではないでしょうか。口先の開き方も関係あるでしょう。
また、ブレスも関係あります。
多くの人に見られますが、ブレス時に喉を開けすぎる。
いわゆるあくび状態をやり過ぎてしまうわけです。

曲はイタリア古典から”””Gia il sole dal Gange””中声用
母音、特にイなどの声帯が良い状態になり易い母音で練習してみて
声のスカスカ感をなくした響きのある状態を掴んだ上で、歌詞を付けて歌ってみることも
良い練習になるでしょう。

発声練習でも感じたことで、少し説明したけど無意識に声の当りが弱いというか柔らかいです。
もっともっと前にしっかりと声を持っていく意識を強く持ってみて欲しい。
顎が前に出たり、感覚的に楽な顔の姿勢をとっていると、喉頭の保持が効かずに
何となく声が出てしまって、それが声のスカスカにつながっている気がします。

最後に高声用で歌ってもらったら、これが高音域の実に気持ちの良い歌になりました。
その代わり中音域はまだスカスカしますね。
そういう意味で中声用で中低音の練習というスタンスが良いでしょう。
新たに””Dimmi amor””の高声用を勉強してみましょう。
こちらは、高声用でも、低音高音取り混ぜて勉強するのに良いと思います。

はやしださん

発声はハミングから始めました。
声を聞くと、どうも前回と違ってもう一つ元気がない、というか、よく言えば軽く無理なく出している声。
ただ、本当の意味の支えのある声でコントロールしているとまでは行かないので、音程が安定しないのと
声が通らない。

これはもうただ単純にもっと声を出す、という意識を今は持ってもらうだけで良いです。
発声を何でも細かい理屈と技術だけで、遣り通すのは難しいです。
人と声を合わせるのではなく、自分の声を人に訴えること、がソロでは大切なのです。
ただそれだけです。

で、声を合わせるコントロールすることを先に覚えるよりも、自分の意思と力でしっかり声を出すこと
その上で、喉に重い負担を与えないこと、が出来たら、それから声をコントロールする、特に声を軽く
することを覚える、という順番が良いと思います。

なぜか?というと声を出すためには呼気の力をコントロールすることと、声帯の状態を規定する
ことの両者のバランスを取らなければいけないわけですが、最初から声を抑えてしまうと、
喉の規定の方が、弱い呼気に即応した状態を覚えてしまうわけで、こうなると高音は支えが出ないものだから
ファルセットにせざるを得ないし、中低音はスカスカにになってしまう。

こういう出し方を身体が覚えてしまうと、そこから脱却するのに非常に時間がかかります。
しっかりした声を綺麗に出すことを覚えれば、後はそこからどうやって引き算するか?
足し算よりも引き算の方が声に関しては楽なのです。

というわけで、発声は中低音を中心に、胸声区の練習をやりました。
ハミングから母音を上向形で1点Fくらいまで。
ただ単に胸に声を楽に当てて、響きを高く意識しないで、声帯全体が特に喉の深いところから良く振動するような
状態を大切にして発声してください。
ここで上手く声帯が良く振動できるようになれば、チェンジは自然に上手く行くと思います。

曲はシューベルトの「冬の旅」1曲目から。
こちらは、最初やはり声の響きが中途半端でした。
常に声をしっかり出すこと。出だしの高音もしっかり当てて出てください。
高い声の出し方とそこから降りていくときの低音の出し方をちょっと変えてあげる工夫は必要かもしれません。
高い声は、喉で力まずに頭の中にカ~ンと響かせるように。
後は胸に降ろして喉をリラックスさせて、響かせてください。

中音域は、特に姿勢、顎の引きをきちっとすることで、胸声区の声でも響きが自然に鼻腔に入ってきますから
明るく前に出る響きになって、音程も良くなると思います。

水車小屋の1曲目もまったく同じですが、こちらは、それまでの声の出し方が伏線になって、実に良い声の響きに
なりました。実は今までテノール用(オリジナル)でやったのですが、彼の声はもはやバリトンの声ですね。
こちらの方がはるかに良い声で歌えるようです。

“”Du bist die Ruh””
こちらも前回より声と音程、音楽が洗練されてきました。
くれぐれも声を抑えすぎないように。
そしてこちらの声も中音域の音程と響きの明るさが必要。
姿勢、顎を引いて顔面に良い胸声の響きが当たるようにしてください。
問題は高い声を出してから低音に降りたときの低音の響きが落ちてしまうことです。
特にGの響きが落ちやすい。
鼻腔に入れるように前に当てるようにです。

声、発声はかなり良い線に来ていますので、後は暗譜ですね。
お正月にでもドイツ語の歌詞の机上勉強をよろしくお願いします。