彼女は結局2回しかこちらに来ていないけど、当分会うこともないかもしれません。
再会を約して、お別れしました。

春から仕事も全部辞めて、カトリックの修道院に入って修行の道を歩む、とのことだそうです。
しかし、今日は愉しく歌って発声を勉強しました。

イギリスに留学していたことがあったそうで、イギリスの有名な古謡を歌ってもらったりしました。
楽譜がないのが残念です。
ヘンデルのOmbra mai fuも上手く歌えました。
DivegeのGeはイタリア語の場合Jeと読むのです。
発声はフランス語の鼻母音を出そうとして歌うと、喉声にならずによく響くようでした。

高音のほうが良く響いて、かなり伸びそうでした。

彼女が歌が好きなんだな、と改めて歌う心の貴重さ無邪気になれることの大切さを思いました。
スポーツもそうですね。
身体を使って集中している時に、普段使っている頭の部分を使わないで、普段使っていない部分の頭を使うことが分かるでしょう。
これがストレス解消に繋がるし、身体の精神の開放に繋がるのだと思います。

将来少し自分の時間が持てるようになったら、また来て下さい。

ほりえさん

彼女は来るたびごとに声が良く出るようになってきました。
コツが着実に身に着いて来たようです。

今日のポイントは歌うフレーズは基本的に先に行くほど膨らませるように、ということ。
平たく言えばクレッシェンドするように出すのが基本、と覚えて間違いないです。
そう思って歌えば、嫌でも身体を使って声を出すからです。

後は、声の入り、声の出し始めはおずおずとしないで、しっかり当てるように意識することです。
それだけで、声がしっかりします。
そして、姿勢です。
顎がどちらかというと、前に出てしまう傾向があるので、なるべく注意してください。
顎が引かれていると、喉が安定して、身体からの声が出てきますよ。

非常に良い声の持ち声ですから、その声を惜しみなくしっかり出して、人に聞かせることをイメージしてください。

「夢の後に」は、譜読みの核は出来上がりました。
前述のように、声の出し始めしっかりと、そしてフレーズの特に最後が尻すぼみにならないように。
膨らますように終わると良いです。

日本の「浜辺の歌」これも意外とブレスがきついですね。
これもフレーズの終わりを大切に歌ってください。

もう少しでとても良い声がしっかりと出てくる前兆が感じられます。
次回も期待しています。

たかはしさん

前回の発表会の感想など聴いて、録音を参考にすることやそのことの良し悪しについて話しました。
彼女は非常に勉強家で、レッスンも必ず録音して、自分の考えを反映させる積極性はとても良いのですが、録音ですべてのことが分かるわけではないことも知っておいてください。

表面的な意味での音程や、譜読みの間違いなどは、確実に参考になります。
しかし、核心の声の状態、声質、エネルギーの出方などは、録音ではあまり分かりません。
録音というのは、ある一つの枠組み(録音媒体と発音媒体)を通した聴き方を知らず知らずのうちに受容しているわけですから、参考にはなっても鵜呑みには出来ないのです。

また、こちらの教え方としても、声量を増すために胸声の練習をすると声質は一時的にこもる方向に行くかもしれません。
しかし、その段階を経ないと、そこから声量のある声を出し、かつ響きが明るい倍音の良く出る声を求めようとしても、いっぺんには出来ないのです。

どんなに綺麗な声であっても、生の声の魅力は声のエネルギーがこもった力のある声である必要はあります。
勿論、それは人それぞれの喉に応じて、という但し書き付きですが。

今日はヘンデルのエジプトのジュリオ・チェザーレ「海の嵐で難破した小船は」をひたすら譜読みしました。
音の確認程度に終わりましたが、もしご自身で譜読みすることがあったら、ごくごく短い単位で良いので、声をしっかり出して譜読みすることを心がけてください。

譜読みの段階から、声を出す、ということを並行してやることで、長いフレーズや一曲を歌う時のエネルギーの総力がイメージされるでしょう。

みねむらさん

今日はアーンの歌曲2曲L’increduleとReverie、そしてヴァッカイの「ロメオとジュリエット」のアリア
Se tu dormiを新しくさらいました。
発声練習は中低音を中心に、ともかく太くしっかり当てる練習に終始しました。

地声の領域から始めて、チェンジをするところに向けてのまたがった領域の通過。
滑らかに通過するためにハミングの練習もしました。
彼女もですが、基本的に上向フレーズの場合、上に上がるほど声を前に通すように要するにお腹を使ってこれをクレッシェンドする感覚を基本に覚えてください。
あるいは、高音に上がるほど声の響きが広がるように、高く行くほど広く、です。

L’increduleですが、ピアノを弾きながらどうも何か聞いたことがあるな~と思ったら、ショーソンのLe colibri「はちすずめ」に良く似ていたのです。
Allegrettoで、軽快な曲ですが、みねむらさんの場合譜読みはなるべく重めにゆったりと歌って置いてください。声のためです。
Reverieも同様です。こちらは3連符をかっちりと、正確に。
リズムを良く生かして歌ってください。音楽が流れないようにです。

ヴァッカイのアリアは、イタリアオペラのアリアの古典的なスタイルが横溢ですね。
スタイルさえ分かれば、実に歌いやすい歌だと思います。
こちらもアリア部は、重めにゆったりと声を良く生かすように歌ってください。
最後のカデンツ部は、これもスタイルです。
音符どおりに歌うのではなく、上がり下がりのテンポの速め方、遅め方と声の活かしどころを抑えた歌い方を覚えてください、