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発声練習はそのほとんどをハミングの練習に費やした。
前回半年以上久しぶりに来たのだけど、どうも喉の力でエイヤ!と高音を出しているのが気になったのである。

1点Cから5度スケールで始めて2点Gくらいまで。
2点C~G辺りのピッチがはまらないので、3度5度のアルペジョで再度練習。
5度の響きのピッチを大切に。
うまく行かない時は、先に5度の音程を決めて、再度下からその響きに入れるように。

最後に2点Dでハミングから母音に変換する練習。
口の開け具合による喉の開き具合を決めて、響きの共鳴感のあるポイントを探した。
これは慣れが必要だ。

これで響きが決まってから、下降形だったか、上向形だったかで、2点bまで練習。
上がっていく時に、2点Asから2点Aの半音の違いでえらく力みが出てしまったのも、相変わらずの癖であった。
喉を変えない、力まないで、そのままの喉で上がること。
それでも半音の違いが声の出し具合に影響を感じる。
そのために、上唇がある、と思って欲しい。

喉を変えない(喉のリラックス感、或いは喉の開き具合を変えない)で音程を上げていくためには、上唇を上に持ち上げるようにすると、響きが上に伸びるようなポイントが見つかると思う。
或いは、響き、共鳴が軟口蓋から鼻腔にかけて感じられるかもしれない。
いずれにしても、感覚的に、喉を締めて、エイヤ!と出すのではない、共鳴した響きの感覚をあくまで大切に、高音の響きを探して欲しい。

今日は後は、ピアニストさんが来てくれたので、プーランクのやっかいなAir chanteを練習できた。
テンポの速い曲だが、先ずは確実なテンポから始めた。

彼女の声からすると低めの音域だが、ピッチを高く、或いは単に明るく笑顔で歌うと低音の声質がとても良い。この曲に合っている。中間部への間奏で少しテンポが落ちるけど、落ちすぎないように。

2曲目の出だしのBelleの響きと、入るタイミング。
タイミングは普通にブレスでタイミングというのでは間に合わないし、声の準備も悪いだろう。
声の響きは母音がエであることと、2点Gということで、喉が締まっている。
アなどの開きやすい母音で、喉の開いた深いポジションを先ず見つけること。
その響きを確立してから母音をエにして応用すること。
今日はうまく出来た。

響きが出来れば、後はBelle sourceというフレーズはポルタメントがつくとチャーミング。
Unの発音、Jourのウの発音を気を付けて。
課題はカデンツのJ’ai contempleの2点bの響き。これも喉を締めないで開いたメッザヴォーチェが理想なのだが。
これから研究したい所。

3曲目はシリアスでヒロイック。深い響きでのレガート。
響きの高低で喉の高さが変わらない響き。要するに強い声だがあくまで開いていること。
出だしの2点Fなども良く喉が落ちて開いた響き。口を縦に。
慣れたらフランス語の発音として少し語頭を強調したり、長母音を強調するとヒロイックになる。

最後の曲は伴奏とのかけっこで、ともかく速いテンポで明るく。
きっちりテンポを出そうとしないで、良い意味でいい加減な感じでさらさらと流して歌うと良い感じがする。

プーランクのテンポの速い曲は、ピアニストさんが歌手を気にするとかえって合わなくなるから、マイペースで弾く事を基本にした方が良いと思う。その代わり曲の入りなどは、歌手のテクニックが要求される。
慣れて欲しいのはブレスで喉の準備をするのではなく、ブレスをしていなくても準備が出来ていることである。

例えば2曲目の入りなどは、ブレスを意識していれる必要は全然無いフレーズだろう。
声のことだけ考えて、タイミングを微妙に少し早めに取れるように。