MYM

発声練習では、これまで論理的に教えて来た、換声点の発声法を見直して、体幹を強く意識する身体の使い方の方法と、
無意識で歌に徹底集中することを、指導しました。

体幹を強く意識する方法は、重心を感じやすい片足で立ち、上半身をかなり後ろにのけぞり、浮いた足を前に伸ばして立つこと。
その状態で歌ってみる、という方法です。
重心の足は、真っ直ぐではなく、ひざを曲げて、重心を更に低くするようにします。

この姿勢で歌うと、理屈抜きで背筋と腹横筋が強く働きますので、横隔膜の収縮と声帯閉鎖が強く働くため、声が良く響きます。
また、体幹に意識が集中することで、彼女に強く出る胸や肩に力が入る癖が取れます。

今迄のように、正立状態でお腹の呼吸を意識してもらっても、どうしても胸と肩に力がはいってしまう、という彼女の申告を無視はできません。
理論通りよりも、かなり過激な状態に一度体を置くことで悪い癖を取る、といういわばホメオパシー(同質療法)的考え方です。

力を抜きなさいといっても、どうやって抜くか?わかりません。
それならば、力を使う部分を徹底して力を入れることで、力を入れてはいけない部分から、意識を反らすことが出来ると考えました。

換声点に関しては、今はもう一切を意識しないで、ただ思い切って歌う、ということを指示しました。
実際に、歌っている曲目も、ソプラノではないですし、せいぜい5点Gですから、むしろチェンジを意識しないで歌うことで、喉周辺の余計な力みも、
かえって取りやすいのではないか?と考えました。

リディアをテンポを進めるようにして復習してみましたが、上手く行っていると思います。
ブレスも伸びたし、高音の換声点も、ほとんど気になりませんでした。

新曲のプーランクの「愛の小径」も、フランス語の読みと母音での歌を練習しました。
低音は、やはり良く響く良い声を持っています。
後半のヴァルスも、高音域は特にストレスなく歌えているようでした。
あとは、フランス語をつけて練習となります。

フランス語は、なるべく自分で辞書を引いて読めるようになると良いと思います。